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    2008

11.26

「地獄番鬼蜘蛛日誌」斎樹真琴

地獄番 鬼蜘蛛日誌地獄番 鬼蜘蛛日誌
(2008/10/21)
斎樹 真琴

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地獄に堕ちた女郎の願いは、蜘蛛になること。代わりに閻魔が命じたのは、鬼の御用聞きと地獄の見回り、そして日誌を書くこと――。鬼蜘蛛と変化した女郎が見つめる、怨むこと怨まれること、許すこと許されることの意味。《本の帯より》

地獄に落ちた亡者が、生前に犯した罪の所為で地獄にいるのならば、地獄で亡者を苦しめる鬼は、生前の亡者に怨みのある者。報復をする為に、死後、亡者を追いかけてきた。或いは手ぐすねを引いて地獄で待っていた者達。鬼となった亡者は、人の姿のときに閻魔様の前で怨みを手放してさえいれば、極楽に逝けたのだろう。極楽に逝けるのを放棄してまで地獄に来たのだから、その怨みの深さたるや恐ろしいものがある。そうして飽きることなく報復し続ける鬼の様子を、鬼蜘蛛と化した女郎が淡々と書き綴っている。

なます地獄は、美しい者に怨みを持つ醜い者が怨みを晴らす場所。鬼達は自分が欲しいと思った綺麗な手を持つ女から、長い足を持つ男から、鋸でそれを刻んで奪い取って、自分の体に縫い付ける。賽の河原で亡者に石を積ませている鬼達の生前は、徳の高い僧侶。説法に耳を傾けない民達を、次第に憎むようになって、亡者に石を積ませている。またその開祖についていけば救いの道を見つけられると信じていた僧侶が、道などなかったと言って開祖を責めている。

女郎は何故に鬼蜘蛛になり、地獄で番をしているのか。女郎は蜘蛛になって、閻魔様を地獄に引きずり落としてやろうと決めていた。女郎は、祖母・母、娘と代々続いた売女の三代目。十二の頃、母から女衒の男にたった五両で売られた。そして虚しさを抱くうちに解った。閻魔様も含めて、弱者を支配する神仏は皆、弱い者なのだと。人間がどんなに拝もうと、平気で見殺しにする。人が行った見殺しを死後に神仏が罰するのならば、神仏が行った見殺しは、死後に人間が罰して良いはず。だから決めた。閻魔様を地獄に引きずり落としてやろうと。そして赦しを乞わせてやろうと。

苦しい。不幸だ。救いがない。女郎は、親を怨み、世の中を怨み、神仏までも怨んでいる。その隣では、鬼が亡者を虐めて愉悦に浸っている。怨み事や泣き言を読まされるのは、気持ちが良いものではない。だけど人間の心の中の黒い部分は、こういう感情で占められているのかもしれない。本書では、地獄で起こる様々な出来事を通し、鬼蜘蛛の心に変化が現れて、やがて解脱の時がやって来る。少し残虐で、少し滑稽で、人の生きる理由を考えさせられた読書となった。

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comments

初めまして♪
読書メーターからこちらにたどり着きました。

地獄の滑稽さ、人間臭さが気に入っています。
人間の黒い部分も浮き彫りにされていて、
とても興味深い作品でした。

TBさせて頂きますね♪

月夜:2008/11/26(水) 23:39 | URL | [編集]

月夜さん、はじめまして。
そしてお気に入り登録もありがとうです。

鬼達の復讐はとても人間臭かったですね。
それに地獄の解釈も面白く読むことができました。
毛色の変わった作品ですが、面白い新人の誕生だと思いました。

しんちゃん:2008/11/27(木) 18:03 | URL | [編集]

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地獄番 鬼蜘蛛日誌


地獄番 鬼蜘蛛日誌/斎樹 真琴 ¥1,575 Amazon.co.jp 地獄に堕ちた女郎の願いは、蜘蛛になること。 代わりに閻魔が命じたのは、鬼の御用聞きと地獄の見回り、 そして日誌を書くこと――。 鬼蜘蛛と変化した女郎が見つめる、 怨むこと怨まれること、許す

2008/11/26(水) 23:40 | Over The Moon

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