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    2008

12.01

「ねむりねずみ」近藤史恵

ねむりねずみ (創元推理文庫)ねむりねずみ (創元推理文庫)
(2000/11)
近藤 史恵

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ことばが、頭から消えていく。若手人気女形の中村銀弥は突然、妻の一子に打ち明けた。銀弥は梨園でも指折りの名家の御曹司で、その役者生命を奪いかねない症状に一子はうろたえる。その一方で、歌舞伎以外のことは頭にないような夫との価値観のずれから、一子は文芸誌記者の良高を愛してしまった。夫と恋人の間に挟まれて苦悩する一子。

しがない中二階役者の瀬川小菊を訪ねてきたのは、大学時代の友人で私立探偵の今泉文吾。二ヶ月前、劇場で腹部を刺されている女性が発見された。被害者の名前は河島栄。中村銀弥の相手役を務める小川半四郎の婚約者だった。それも半四郎や銀弥が出演する演目の上演中に、花道横の客席で殺されていたのだ。二人はその事件の調査に乗り出すと、やがて銀弥の病気と死亡事件の間に深い関わりがあったことが判明して・・・。

近藤さんのデビュー二作目に当たるのが本書だ。歌舞伎と縁がなくともすらすら読める。堅苦しいところもない。だけど、登場する人物たちにあまり魅力を感じなかった。まず、一子。銀弥との出会いの場面は、すごく美しい描写だった。それが良高と出会ったことで随分と身勝手な女になってしまい、彼女が苦悩する姿も自業自得としか思えなかった。その相手である良高も、自分の感情が一番で、ただの見っともない男としか思えなかった。

後にシリーズの主人公となる今泉文吾もまた、しっかりと人物が描ききれているとは言いがたく、線の細さが人物像をぼかしていたように思えた。探偵としてのすぐれた能力があるとはとても思えないのだ。そんな中、普段からおネエ口調でちゃきっと話す小菊と、文吾の助手を務める山本少年の二人が好印象で、梨園という特殊な世界を厭きさせない和みの存在になっていた。余計なお世話だけど、もっと彼らを前面に出しても良かったような気がした。特に楽屋にいる小菊をもっともっと読みたかったなあ。

ミステリとしては、ネタバレがあってはならないのであまり書くことは出来ない。だけど、自分としてはちょっと、という真相であった。特異な世界に生きる人たちだからといって、あんなことを本当にするのかと、そこにリアリティを感じることが出来ずに首を傾げてしまった。それに複線が不十分で、構成のバランスもいいようには思えなかった。これらはデビュー間もないという若さなんでしょうか。今の近藤さんを思って読むと、少々頼りなさを感じてしまう。そのような作品であった。


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近藤史恵
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comments

こんばんわ。
一幕がとても素敵でしたよね。ラストも好きです。
でもしんちゃんの言うように、今泉の存在が中途半端なんですよね。
いっそ、小菊が探偵のほうが良いのに、と思ってしまいます。

ia.:2008/12/04(木) 00:57 | URL | [編集]

ia.さん、こんにちは。
そうなのよ。今泉がもうちょっとで、小菊の方がよくて・・・。
だからなのか、いまひとつのめり込むことができませんでした。
一幕の出会いは運命的で素敵でしたけど。

しんちゃん:2008/12/04(木) 13:00 | URL | [編集]

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2008/12/04(木) 00:49 | どくしょ。るーむ。

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2009/04/26(日) 08:22 | +++ こんな一冊 +++

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