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    2008

12.02

「ヒトリシズカ」誉田哲也

ヒトリシズカヒトリシズカ
(2008/10)
誉田 哲也

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木を見て森を見ず――。細部に注意しすぎ、肝心の全体を見失うことのたとえで、事件捜査において、最も避けなければならないことである。この小説に登場する刑事は皆、これを徹底し犯人を逮捕していく。だが、彼らは気づかなかった。その森が想像以上に大きく深いということに……。5つの殺人事件。果たして刑事は真実をみたのか?果たして女は幸せだったのか?《本の帯より》

「闇一重」「蛍蜘蛛」「腐死蝶」「罪時雨」「死舞杯」「独静加」という六編による連作といえる構成になっている。これは刑事ものなのか。確かに刑事ものだろう。それぞれの短篇で起こる事件に対して、それぞれに異なる警察官の視点で描かれた作品となっている。

まず「闇一重」では、暴力団構成員が射殺されるという事件が起こり、交番勤務の巡査部長は特別捜査本部に応援という形で参加することになる。次に「蛍蜘蛛」では、元暴走族のメンバーが刺殺され、生活安全課の巡査長が捜査に協力することになる。「腐死蝶」では、警官時代の上司から家出をした娘を捜索して欲しいと、探偵は依頼される。「罪時雨」では、男から暴力を受けているという女性の相談に乗った生活安全課の課長は、何としても彼女を守ろうとする。「死舞杯」では、暴力団幹部の自宅で襲撃事件が起こり、所轄の刑事は警視庁暴犯係の男とコンビを組むことになる。「独静加」では、警視庁の捜査主任が戸籍売買の容疑で逮捕した女性の取り調べを始めると…。

これら主人公の多くは、いわゆる刑事さんと呼ばれる警察官ではない。犯人逮捕という派手な活躍をするわけでもない。では何をするのか。彼らは、ふと何かが引っかかったことで独自の捜査をすると、そこにはある一人の人物が浮上してくるのだ。そう、ここに本当の主人公がいたことを知らせているのだ。全編の視点が警察官でありながら、全体を通して語られるのは一人の人物。彼らが関わったすべての事件には、伊東静加という少女が裏で関わっていたのだ。

伊東静加という少女は、大人っぽい色気のある日本人形のような容姿とは裏腹に、暴走族やヤクザを害虫と呼んで虫けらのように扱い、警察官を偽善者と呼んでもっとも嫌っている。そして暴力を巧みにコントロールして、人を殺すことにも躊躇しない。伊東静加とは、どのような狂気の人物なのか。それは読んで自分で確かめてもらいたい。彼女の怖さは相当なものであることは間違いない。そうして徐々に明らかになる静加像だが、これが最終話を読むと、それまで彼女に対して持った印象というものが、がらりと変わってしまうことだろう。ともかく、静加の狂気と、それを増幅する構成の妙が冴えた一冊だった。もちろんお薦めです。

久しぶりにダークな誉田作品を読んだな。

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誉田哲也
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comments

本屋で本の存在は確認しました。
まだ読んでないけれど~( ̄∇ ̄;)

誉田作品の刑事短編って、どーなんだろう?
(消化不良にならないか??)
と訝しげに見てましたが、

なるほろろろ~、
長編と見てもいいんですね♪( ̄▽ ̄)σ

たのしみ増~えた♪
(〃∇〃) てれっ☆

つたまる:2008/12/03(水) 02:51 | URL | [編集]

つたまるさん
長編というよりも、構成に凝った連作集かな。
あまり言うと楽しみがなくなるので、あとはぜひぜひと。

しんちゃん:2008/12/03(水) 19:50 | URL | [編集]

 おお、誉田作品かなり読んでますね。
 奥付を見て知ったのですが、『ストロベリーナイト』を書いた人なのね。少し前に文庫の裏を見て、ちょいとそそられたのですが。
 この作品は、個人的にはストライクゾーンを球一つ外れたかな、という感じ。

higeru:2008/12/28(日) 13:31 | URL | [編集]

higeruさん
本ブロではめずらしい誉田哲也フリークです(笑)
いろんな顔がある誉田さんだから、合う合わないはあるかもね。
でも、自分はずっと追いかけたいと思っています!

しんちゃん:2008/12/29(月) 15:39 | URL | [編集]

お正月に読めたの。
しんちゃんが、新刊情報教えてくれたから
横浜の図書館ですぐ予約出来たからだよ。
ありがと。誉田さんの刑事もの。
いつもとちょっと違う感じだったけど、
面白かった~。

まる:2009/01/07(水) 20:21 | URL | [編集]

まるさん
結構早く読めたみたいですね。
どちらかと言うと、ダークな誉田さん。
こういうのもありかな、と思いました。

しんちゃん:2009/01/08(木) 10:27 | URL | [編集]

よかったですよね~。誉田さんらしい作品で。青春ものも好きだけど、切ない余韻の残るこれもいいです。
最後の章の、一気に切なくなっちゃうとこは、なんだよ、急に!と思ったけど、あの締めくくりがないと彼女の人生は終われないんですもんね。は~、切ない。

じゃじゃまま:2009/02/11(水) 23:08 | URL | [編集]

じゃじゃままさん
剣道だけが誉田さんじゃない。これも誉田さんですよね~。
このダークなところと、切ない終焉がなんとも印象的でした。
終わりはこれしかありえなかったですよね。

しんちゃん:2009/02/12(木) 21:53 | URL | [編集]

読みました!!

「誉田哲也だなぁ~」って思いました(* ̄∇ ̄*)

でも、
読み終えたあとで改めて表紙眺めてみると、
「ちょっと編集者、安直過ぎないか??」って
思ってしまいました。
いや、そう思わせることこそが編集者の意図??
あたしは術中にはまったのかなぁ~( ̄∇ ̄;)

読み終わってはじめて理解できる表紙デザイン。
斬新だ、斬新だけど、、、
うーん。。。
(多くを語れないのが、ツライ~)

http://tsutamaru.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-4a23.html

つたまる:2009/02/14(土) 05:07 | URL | [編集]

つたまるさん
あざとさが見えるあたりが、どうも編集者の意図っぽい(笑)
これ以上は言えないけれど。

しんちゃん:2009/02/14(土) 16:45 | URL | [編集]

こんばんわ。
誉田さん、お名前は良く見かけるのですが、初読みでした。
ダークななのとライトなのがあるんですね。
この作品は一つ一つの物語が面白くて、読めば読むほどハマっていく感じでした。
ジグソーパズルのような構成も良かったですね。

ia.:2009/04/04(土) 00:20 | URL | [編集]

ia.さん、こんばんは。
ダークとライト両方あります。どっちもいいよ~。
これはすごく凝った構成でしたね。
静加という女性の見方が一変するところは背筋ぞくぞくものでした。

しんちゃん:2009/04/04(土) 19:37 | URL | [編集]

誉田哲也氏の作品は全部読んでいます。好きな作家の一人です。

しんごりん:2009/04/21(火) 18:55 | URL | [編集]

しんごりんさん、奇遇ですね。
自分も誉田作品は好きですべて読んでいます。

しんちゃん:2009/04/22(水) 20:13 | URL | [編集]

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