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    2008

12.07

「ロードムービー」辻村深月

ロードムービーロードムービー
(2008/10/24)
辻村 深月

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誰もが不安を抱えて歩き続ける、未来への“道”。子どもが感じる無力感、青春の生きにくさ、幼さゆえの不器用……。それぞれの物語を、優しく包み込んで真正面から描いた珠玉の3編を収録。涙がこぼれ落ちる感動の欠片が、私たちの背中をそっと押してくれます。はじめましての方にも、ずっと応援してくれた方にも。大好きな“彼ら”にも、きっとまた会えるはず。冷たい校舎の時は止まる』から生まれた珠玉の短編集。《出版社より》

「ロードムービー」
三月二十三日。小学校六年生に進級する四月を目の前に、トシとワタルは家出した。ワタルの家に、一千万円が必要だった。そうしないと、ワタルの父が経営する工場がなくなるのだ。ワタルたち家族は田舎のおばあちゃんの家で暮らすことになる。トシの計画は、自分自身の身柄を人質に、医者の母さんと政治家のオヤジから身代金を要求すること。このままだと、次の春休みにはワタルがいなくなる。気の強いアカリが嫌うワタルと友達になったことで、トシはアカリとその取り巻きから執拗な嫌がらせを受けるようになった。だけど、トシはそれでもワタルと友達になれたことを後悔していなかった。ワタルはトシにとって一番の友達だった。

「道の先」
大学の掲示板に、塾講師募集の貼紙がされたのは三ヶ月前。バイトを始めて二週間が経過した頃だった。俺はバイト仲間と一緒に塾の学院長に呼び出された。大宮千晶のことだった。とても成績が良く、頭のいい子。物言いも大変大人で、クラスの中でも中心人物。その彼女に嫌われたことで、今まで学生のアルバイトが三人辞めているということだった。俺も理科と数学は受け持っていたが、特に困った生徒ではなかった。しかし、彼女は先生イジメを趣味にしているという。大宮千晶はクラスの中心人物にしてクラスの英雄。なぜか千晶に気に入られた俺は、彼女に呼び出されると断らず向き合う。俺は嫌と言わないし、受け入れる。それが俺だから。

「雪の降る道」
ヒロは時々、夢を見た。その子の名前も「ヒロ」という。隣町のひまわりの家という地域の施設で友達になった「ヒロちゃん」は、みんなのリーダーで自分の親友だというのが心強かった。そのヒロの大好きだった「ヒロちゃん」は、彼自身のお母さんに殺されてしまった。「ヒロちゃん」を失ってから、ヒロは何度も何度も嘔吐と発熱を繰り返した。ヒロはずっと泣いていた。ヒロが学校を休むとその度にみーちゃんがお土産を持ってやってきた。来なくてもいいのに。それがヒロの本音だった。そしてついまた、酷い言葉を投げかけてしまう。それでも明日になれば、彼女はやってくるんだろう。みーちゃんなんか、いなくなっちゃえ。立っていたみーちゃんの唇はバイバイと動いた。みーちゃんがいなくなった。


感想だけど、ネタバレありでいきます。未読の方はご注意を。


「ロードムービー」
アカリがどうしようもないぐらいムカついたけれど、その一方でトシとワタルが健気だ。そのトシがかくまってもらう先の目処にしたのが、オヤジと母さん両方の共通の親友、タカノのおじさんだ。本文ではカタカナのおじさんだけど、漢字にすると鷹野博嗣かな。そのおじさんの部屋にいたのは、ふわふわとした白いお菓子のような小柄な女の人。名前は出てこないけれど深月という名前だったりして。で、さばさばした独自の物言いをするトシの母さんは旧姓が桐野景子で、オヤジは生徒会でコンビだった諏訪裕二かしら。トシとワタルの友情にぐっときて、懐かしい面々の登場にわくわくして、ラストにはお得意の叙述トリックが炸裂。やられたー。

「道の先」
主人公の俺の名前が一切でてこないので、はじめは誰だか見当がつかなかった。読み進めると、危うい女の子ばかりを引き寄せてしまう人物だとわかる。そして他人を受け入れるだけの無責任な優しさに、片瀬充を思い出した。その彼を慕う女王様のような千晶もまた、そうとう危うい状態にあって、さりとてその手をとるわけでもない距離感がもどかしくもある。けれど、彼らしい成長が見えて、そこにじーんときた。それと美少女に言い寄られて身を崩さないなんて、とてつもない意思の人だと思った。そんな彼と留守電で連絡を取り合っていたのは佐伯梨香で、変わってないな~というのが微笑ましい。

「雪の降る道」
これは本編を読んでいると、さらにおおっとくるだろう作品。小学生の頃の鷹野博嗣と深月。幼なじみの二人。夜店でスガ兄に買ってもらった指輪を送るほどの仲。だけど、ヒロは親友の死を引きずって心を閉ざしてしまった。そんなヒロを元気付けようと見舞うみーちゃんに対して、強く当たってしまうヒロ。親友がいなくなった辛さもわかるけれど、ちょっとやりすぎじゃないでしょうか。自分はかわいそうだから許される、みたいな勘違いは読んでいてむずむずした。その一方でみーちゃんの健気さに胸を打たれる。本編では好きになれなかったみーちゃんだけど。それにしてもスガ兄こと菅原榊が男前だ。

辻村深月さんのサイン。

Image183_r1.jpg

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辻村深月
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-:2010/12/06(月) 16:12 | | [編集]

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